東京オペラシティアートギャラリーで開催中の「和田誠展」
和田さんとは20数年前にあるご縁で知り合いました。
残念ながら和田さんは2019年にこの世を去りましたが、今回和田誠事務所からいただいた招待券を手に多彩な仕事の数々を見て来ました。 https://wadamakototen.jp/

和田さんは、グラフィックデザイナー、イラストレーター、アートディレクター、本の装丁、そして映画監督、作曲、、。よく知られるところでは長らく続けた週刊文春の表紙絵。
展示会場では、和田さんが手がけた様々なポスター、イラスト、原画や制作の過程をを紹介する資料などが所狭しと並んで、ここの会場では少し狭いなあという印象。
その中で僕が見たかったタバコのハイライトの図案がありました。
当初ハイライトは黒のパッケージ案もあったと聞いていたので、それを見ることが叶いました。和田さんの自宅には、黒デザインのハイライトの箱もあるということです。

幾つかのハイライト図案

ポスター、似顔絵、イラストが壁いっぱいに。


絵本の細かな色指定。

和田さんといえば週刊文春の表紙。壁一面に表紙の絵。

多彩な活動の上、交友関係は驚くべき広さを持ち皆一流の業界人。
和田さん自身は表に出るのをあまり好まないようでしたが、どれだけ人と知り合えるかは大切なことだと、聞かされたことがあります。

ちなみに僕が最初に和田さんと出会ったのが、和田さんが監督を務めた映画「ガクの絵本」の現場。
僕には映画業界で仕事をする友人が幾人かいて、その繋がりからでした。
友人の中に、熱血助監督の猪腰さんという頼れる男がいて、東京で最初の個展の際に、猪腰さんにとても世話になり、和田さんにも声をかけてくれました。
そして初日のパーティーに和田さんも来てくれて、盛り上がった勢いで二次会へ、和田さんはレミさんまで呼んで皆でワインを何本も開けました。
それ以来和田さんとは手紙など交流をさせてもらうようになりました。

東京で2度目、文芸春秋画廊での個展の時も飲みに連れて行ってもらいました。和田さんは胸にオシャレな焚き火のピンバッジをつけていて、妻がそれいいですねーと言うと、さっと胸から外して、ハイあげる!とくれました。
今回の和田誠展には、その焚き火バッジのデザインも出ています。

文春画廊にて絵の前で、和田さんと。

和田さんからもらった焚き火マークのバッジと今回会場にあった元のデザイン。
国際焚火学会とあります、なかなか大げさな名前!

和田さんからは他にも自身が作曲、レミさん歌のCD「うたの絵本 小さな地球」をうちの子が小学校の頃に送ってもらいました。

昭和11年生まれの和田さんは、僕の父親と同学年なので、僕にとって都会にいるお父さんのような、そんな存在でした。

先月10月7日は和田さんの三回忌。
亡くなった後に囲む会の案内をいただいていたのですがコロナで立ち消え、三回忌に合わせ、お供え物を送らせていただきました。
テーブルの上に篠山紀信さんが撮った和田さんの写真と谷川俊太郎さんの詩と送られて来た花をたくさん飾ってありますと、レミさんはおっしゃっていました。